2016年秋、Diggy-MO' 始動!
新たな冒険へと誘う地図が、示される時が来た。
2016年秋、Diggy-MO’始動!
「先に進むために、ちょっと時間をくれない?って感じ。」
それは昨年9月。アルバム『the First Night』に伴うツアー〈 … So, anyway 〉が終了した2か月後。〈帽子の中身〉のために設けられたインタビューの席で、Diggy-MO’はそう言って、いたずらっぽく笑った。
「そこはちゃんと伝えておかないと、ただ休んでる感じに見えちゃうからね。」
OK、わかってる。大体、Diggy-MO’が〈ただ休む〉なんてことが、あるはずがない。2008年、SOUL’d OUTが一時休止した時も。2014年、SOUL’d OUTが解散した時も。間髪入れずにソロ活動を開始し、真新しく刺激的なビジョンを次々と見せてくれた。そう、Diggy-MO’のとてつもないパッション、エナジー、クリエイティヴィティに、ここ10年以上、僕らは常に驚かされっぱなしだったのだ。
そんなDiggy-MO’が、昨年7月のツアー終了後、ふっつりと表舞台から姿を消した。その間、公になったスケジュールは、1月に札幌で行われたチャリティライヴイベントと、現地のラジオ番組出演のみ。かくも長き不在。ディギロス症候群? あなたも? わかる。代わりがいないのだ。この男だけは、絶対に。
だから、今、待ち望んだニュースがついに届いて、はっきり言って興奮している。Diggy-MO’が動く。前触れなし、いきなりのツアーの発表だ。9月24日、名古屋ELL。25日、大阪・梅田CLUB QUATTRO。10月16日、東京・恵比寿LIQUIDROOM。およそ14か月ぶりのライブ復帰。聞きたいことはたくさんある。新曲は? ステージは? コンセプトは?
昨年のツアー〈 … So, anyway 〉を思い出してみる。華やかなファンク/ソウルのショーを見るような、しなやかで強靭なグルーヴを放つバンド。ラップ、歌、ピアノ、一瞬の手足の動きに至るまで、より少ないムーヴでより豊かなエモーションを表現するDiggy-MO’。そして、ジャズ、ファンク、ヒップホップ、エレクトロなどを自在にミクスチャーした、驚くべき新曲たち。SOUL’d OUTを超えてさらに先へと進む、決意とビジョンがダイレクトに伝わる華やかなステージの印象は、今も記憶に鮮やかだ。
そして今、一つのヒントがここにある。〈DISART〉というワードだ。どうやらこれが、〈DIG IT〉や〈 … So, anyway 〉に続く、Diggy-MO’の新しいコンセプトらしい。アートではない? いつもながらの、謎めいたワードについての真意は、いずれ明らかにされるとして。今はDiggy-MO’が再び精力的に動き出す時が来たことを、大きく手をあげて歓迎したい。
たっぷりと充電を終えたDiggy-MO’が、一体どんな物語の続きを見せてくれるのか。長いサーガの最新章の公開を待つように、今はとてもワクワクしている。Diggy-MO’と、僕らと、もうずっと前から同じ船に乗って旅してきたクルーたちを、新たな冒険へと誘う地図。それが示されるのは、もうすぐだ。
TEXT by HIDEO MIYAMOTO